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今はラノベがちょうどいい。

活字から得る栄養価ということでは、古典や鉄板の名作をゴリゴリ読んだ方がコスパ良いですよね。さして読んでいない、読み解くほど読書の「顎」を鍛えていないという面があるでしょうから、そういうのは出来てから言えという話でもあるのですが、最近ラノベが読みたくなって、読んでいます。気が向かなくなったら読まないかもしれない、そんなにわか読者です。

テンプレ・お約束・様式美、みたいなものがあるから、例えば「通常ヒロインが取るであろう行動」とは違う、ちょっとずらしてくるのを目撃できたりすると、楽しいです。『弱キャラ友崎くん』の日南葵みたいに。

おそらく一般文芸とかでも、カテゴリーエラーはあるのでしょうけど、面白くて売れればなんでもありっぽいカオスなラノベでも、ラノベだから書きやすいこと・書きにくいことがあるのかなと見ています。

njmy.sblo.jp

最近だと、上記記事で紹介されている(ネタバレしないで魅力を紹介できて凄い)、『86』に驚きました。好きだし、ヒットして欲しいし、デビュー作でこれ書けるのですかと信じがたい気持ちでいます。ミリタリ物で、「謎・秘密」がだんだん解明されていく流れと、重要人物たちが窮地に追い込まれていく流れがシンクロしているし、「やめたげてよお」って状況を通り抜けた先に、いくらフィクションとはいえそんな夢みたいなことが、いやだからこそいいんじゃないか、みたいな心地よい葛藤が残りました。ラノベだから書けたのでしょうし、たぶん売れることより著者が書きたいことを優先した感じなので、テンプレおさえて売れるようにというのがもし大事なら、そうではないわけで、ラノベだから「書きにくい」ことを乗り越えてきた作品かなって見ています。

 

話は飛びますが、物は持ちたくないの、断捨離大切にしてます、ということではなくて、好きな本や漫画が手元にあるからこそ、電書も使わないと収納が厳しいです。新刊5冊出たよわーいって買いに行って、全部あたりでもハズレがあっても、物理的に5冊増えたら、手持ちを5冊分放出・廃棄しないと、というコップの水溢れちゃいましたみたいな地獄があります。『86』も電書で読むつもりだったのですが、待てなかったのです。だから、余計嬉しかったのかもしれませんね。

 

 

 今は、上記を読んでます。テンプレとかお約束だと、ヒロインが主人公を振り回すことが多い気がするのですが、この作品は、ヒロインが主人公にいじられてぐぬぬぬってなってたりしますね。地の文・主人公の一人称に対して、キャラクターがメタなツッコミをして「心を読むな」とか「メタな言動やめい」というやりとりも微笑ましいです。心に残る名作ではないかもしれないけど、カップルがいちゃついてるというより、猫がじゃれてる感じに見えるので、読んでいて微笑ましいです。

読み終えて全て忘れてしまって、ふとしたときに、何を思い出すのでしょう。例えば『はがない』のことを読み終えてから四六時中考えていたりはしませんけど、セナが夜空に担がれたり、夜空から買い取ったウイッグ(かな?)をくんかくんかしてたりするの思い出すと、著者はよく思いついたなと感心するし、他人の黒歴史を目撃しちゃったような痛痒い思いが起きたりします。

無数の作品があって、ラノベを読むことは、様々な「キャラと状況」を通過することでもあります。ふとした時に、思い出して微笑ましく感じたり痛痒く思えたりする、ラノベとの距離感が、今は心地よいみたいです。