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続いて欲しかった作品と、イマイチだった作品たち

例えば『弱キャラ友崎くん』の何が良かったのか、どこが新しいと思ったのかとか、言葉にすればいいのかもしれないんですが、まだ断片的な感じで、整理できていなくて。気が向くままに雑食していて、「ああ、私には合わないな」と思う作品が幾つかありました。何がどう合わなかったのか、気がついたことをメモしていくなかで、作品にケチをつけるわけではなくて、私は何を求めているのか見えてくるかなと考えています。

 

 平坂読作品の『妹さえいればいい』は、業界モノであることと、『はがない』の発展版というか、群像劇を書いている感じがするので、私でも読めます。上記は、「そんな恥ずかしい名前の人は知らない」かな? お約束が面白いと思うとか、いやいや同じ家にとか、いやいやご近所にとか、設定を面白く思うことはできるし、作品が安定してて「乗り心地」みたいなものがいい点も感じたけれど、「妹もの」合わないんです。リアル妹いるので。ウナギ苦手なのに、ウナギの名店入るなみたいな感じですね。

 

 

 これは、まさか2冊で終わるとはというのと、2冊で終わるよねという諦めが混在する複雑な作品でした。正直、10冊くらい続いて欲しかったです。保健室登校をしてるヒロインで、体が弱くてじつは一浪している。彼女の「担当」になった主人公と2人で、学園ミステリ系ラノベ的なことをします。学園ミステリ系をやるなら古典部シリーズもあるし、ミステリも色々ありますよね。私はこの作品の、まだつきあってもいない2人が、「友達以上恋人未満」とか死後じゃないかと思う感じの距離感で、夫婦漫才やるんです。この「じゃれあい」を愛でる作品だと割り切っていたので、もっと続いてほしかったです。逆に、おそらく週刊マンガでいうところの打ち切りなんでしょうから、支持されなかった理由は、ものたりなかったのかなと推測しています。

 

 もし著者が、「不器用な魔王の行動を通して、エルフは魔王を慕うようになる」(コミュ障でも分かってくれる人はいる)ことを書きたかったなら、私には伝わらなかったです。世界観や設定は面白いし、せっかくの「魔王」だから、物語を通して彼が人間性を獲得するのでもいいし、買って保護したエルフに対して「お前は自由だ」って対等になる話にしてもいいし、ロードス島のベルドみたいに覇道を突き進んでくれると、私には分かりやすかったかなあ。

 

「安全日・危険日」の定義が違うというか、そもそも誤解がある。「安全日だから」と呼び出されて、一応コンドーム(だよねコンビニで買ったやつ)持って行ってみたら、事件に巻き込まれて……。という、作りは嫌いではないです。ただ、吸血鬼と眷属みたいな感じの、ロードとナイツの設定と、リミッター外すと人格とか吹き飛んで殺人機械になっちゃう仕様の高校生って、設定詰め込みすぎだと私は感じました。ハンバーグ弁当にとんかつも入れないで、2つのお弁当にして、みたいな。あるいは、著者は入れ物に対して多すぎると思われる設定を、うまいこと整理する自信があったのかもしれませんね。私が受け取り損ねたのかな。

 

 ハイスペックな彼女が出来て有頂天だったけど、冷静になって悩むあたりとか、主人公の葛藤に好感を懐きました。ただ、才色兼備のクールビューティな設定のヒロインが、キャラ立ってない感じなんです。クラスの中心にいる幼馴染とか、やたらスキンシップしてくる露出過多な姉とかの方が印象に残るのです。彼女がどんな人で、どういう動機で動いてて、ということがイマイチ分からない。それとエロゲについては、男子が好きなのは当たり前なので、これ男女逆転して「才色兼備のクールビューティで、隠れオタクで、エロゲ廃人で、彼氏にエロゲを布教したい。ただし、エロいことに興味は無い」とかだと、ラブコメやるのに面白くなりそうだと思うのです。読んでみたい。

「これはフィクション。○○の××が凄いし、このエロゲは名作。でも、私はリアルでエロを求めていないの」とか言われたら、生殺しで物凄く悶々としそう。

 

 合本版、やっと3巻まで進みまして。安いのは嬉しいけど、分厚い本を抱えて読むようなものだから、読みにくいですよね。読まずに死ねるかって犬に転生してまで、読書する主人公と、やたらハサミを振り回す売れっ子覆面作家の物語。ツンデレというかヤンデレというか、デレる時もハサミ装備してたり、キレてるのか拗ねてるのか分かりにくいヒロインなんです。頭良くて能力あって、性格が人格破綻者でドSであっても、見かけは美しいはずなんですけど、「このヒロイン可愛い」と思うのが難しい作品ですね。読み進めると見え方が変わるのかな。

 

 『弱キャラ友崎くん』のフライ先生の告知で知った作品。『魔王の俺が~』と同じとこで引っかかってますね。この作品のアイデアは異世界転移・転生ではなくて、それを既に済ませた人が日常を取り戻したところに、「あなたがあの英雄ですね」って女神等女子キャラが3人おしかけて、教室にまで転校生として突撃してくるお話です。アイデアはいいと思うんです。英雄やったからこそ、日常を大切にしたいことも。でも、例えば僕らが今の経験値を持って17歳くらいに戻ったとして、「ぼっちで、パシリさせてもらう」こと以外にクラスに居場所を作れないとか、不器用なことするでしょうか。大人の知恵を一種のチートスキルとして持ち込めるわけですから、何かしら工夫しますよね。

主人公の場合は、異世界に飛ばされて、そこでモンスターか何かの血で拳を染めて、自分が戦うしかない状況を切り抜けて英雄になったわけですよね。PTSDとか戦場を経験したことで人格が歪むということがあるならともかく、それだけの経験を多感な時期にすれば精神的にめっちゃ成長するはずなのに、その成長が伝わってきませんでした。

身体能力とかは確かに描写があるので強いんですけれど……。

 

 

妹モノは求めていないこと。ラブコメの場合は、キャラが立っていてかけあい(じゃれあい)が面白ければ、その他は気にならないこと。作品の設定やキャラの描かれ方を楽しみにしているので、そこで引っかかると私には合わないと感じるみたいですね。

何か惹かれるところがあれば、瑕疵があっても気にならないので、「どうでもいいこと」「どうでもよくないこと」が何なのかもう少し明確にすることで、自分にとっての「当たり」との遭遇率を高められるかもしれませんね。